東北大医学部6年間の体験記
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5年生その2 種々の実習を終えて

5年生 記憶に残った実習

当直実習

 救急部と産婦人科をローテートした時には、当直実習がありました。当直とは夜勤のようなもので、病院に泊りいつ呼ばれてもいいように待機をします。
 私が当直をしたときは何もなく、いわゆる“寝当直”だったのですが、一睡もすることができなかったという学生も中にはいました。当直の次の日も通常通りの実習があったため、その学生はとても眠そうにしていましたが、医師になればこんなことも日常になるのでしょう。

外病院実習

 学生が実習をするのは基本的には大学病院ですが、大学病院には難しい症例や珍しい症例が集められているため、疾患に偏りがあります。そのため大学には来ないような疾患を学ぶために、市中病院や開業病院へも実習に伺います。

 開業病院だとちょっとした風邪や予防接種が多いし、市中病院はそれと大学病院の中間といったイメージです。大学病院だと症例が難しく、学生が手を出せる余裕がないことが多いですが、市中病院にいくとたまには学生にも手技ができるチャンスが巡ってくるため、大学とは違った面白さがあります。

 加えて、年の近い研修医の数も市中病院の方が多いため、よりリラックスして実習することができて楽しいです。実習で伺う東北大学関連の市中病院は、どこも大学からそこまで遠くない距離にあるため車がなくても問題ありませんが、特に地方の大学だと車がないと厳しい場合もあるようです。

ローテーションを終えて

すべてのローテートを終えて

 私が最後にローテートしたのは、心臓血管外科でした。医学部に入る前に心臓外科を題材にしたテレビドラマをよく見ていて、かっこいいなとずっと憧れておりましたが、実際の心臓外科医はドラマよりももっとかっこよかったです。

 実際の手術はとても長くて、朝に始まった手術が日をまたいでもまだ終わらない、なんてこともよくありました。それでも先生方はその間飲まず食わずで、そして集中力をとぎらせず手術をされていて、単純に本当にすごいなと思いました。

 心臓外科の先生方は

 ちなみに、心臓外科の手術は出血量も多いし時間も長いですが、私もこの頃には低血圧を起こさなくなっていました。それは本当によかったのですが先生方の底なしの体力を目の当たりにして、まだまだ修行が足りないと身に染みて実感しました。

 すべての科を回り終えると、学生は皆将来の志望科をどこにするのか具体的に考え始めます。実際に研修医として働いてみて、考えが変わる人もたくさんいるようですが、初期研修病院を決めるにあたって大体の進路が決まっていたほうがスムーズに事が進むので、今の段階で将来どんなキャリアを積みたいのかをとりあえず考えます。

 診療科ごとにできる手技も全然違いますし、医局員の雰囲気も全く異なります。自分は手術がしたいのか否か、体育会系な雰囲気が好きなのか否か、家庭との両立を大事にするのか仕事一筋でいくのか、と自分の性格や将来のライフスタイルを考えて慎重に選択をしていきます。

初期研修病院の選択

 自分の進路を大体考えたら、どこで初期研修を行うのか具体的に考えます。病院ごとに、また地域ごとに得意とする診療科も違いますし、医師の教育体制も異なるためどこで研修を行うのか慎重に決める必要があります。

 病院をいくつか見学に

 そのため、多くの学生は、興味のある病院にいくつか見学に行きます。学生側も病院を選ばなければなりませんが、病院側も採用する学生を選ばなければならないため、病院に自分を売り込む必要があります。

 医学部にいったら就活をしなくていいもんだと思っていたため少し残念に思いましたが、一般企業の就活よりははるかに楽かと思いますので、贅沢は言ってはいけませんね。面接は大体6年生の夏休みにありますので、それまで何回も志望病院へ病院見学にいき、自分を売り込んでいきます。

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