東北大医学部6年間の体験記
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4年生その2 臨床実習に向けての試験

4年生後期 OSCE と CBT

OSCE(Objective Structured Clinical Examination)

 OSCEとは、客観的臨床技術試験のことです。これと CBT(Computer Based Testing)に合格しなければ、 Doctor Studentの資格をもらうことができず、病院での臨床実習を行うことが許されません。
 この2つの試験は全国の医学部生が受験するものですが、受験日は大学ごとに異なっていて、東北大学では4年生の最後に行うことになっています。

 OSCEでは、医療面接、頭部診察、胸部診察、腹部診察、神経診察、救命救急、採血手技、縫合手技、ガウン (手術の時に着るもの )テクニックなどの手技が問われます。

 テンプレートとなる診察手順を学ぶ

 実際に所見がとれるようになるには当然経験を積む必要がありますが、所見が取れるのか取れないのかはとりあえず置いておいて、所見の漏れがないようにテンプレートとなる診察手順を学ぶという意味で、OSCEはとても重要です。

 聴診器はどこに当てるのか、リンパ節の触れ方はどうか、上手な腱反射の出し方はどうかなど、学生同士がお互いに実験台になって練習を行います。そしてついに、学生同士で採血しあうという医学生らしいこともやります。当然みんな下手くそですから、採血されるのもするのも怖いし、しっかり青あざもできます。ちなみに縫合の練習はさすがに人形でやるので安心してください。

 聴診器を買った時は嬉しくて

 またこの OSCEの練習にむけて自分の聴診器を購入しますが、聴診器を買ったときは本当に嬉しくて、普段ほとんど連絡しやしない両親にメールを送ってしまったのを覚えています。

 試験本番は、課題ごとに部屋が分かれていて、その部屋に順番に入り試験を受けるという形式で行われます。試験官の前でボランティア学生 (医学部の後輩が担当します )を相手に試験を行うのですが、緊張感のある雰囲気でとても緊張しました。

CBT(Computer Based Testing)

 CBTとは、コンピューター上で行う学力試験のことです。 CBTは東北大学では2月の始めに行われますが、その前に臨床科目の試験が12月末まであるため、 CBTの勉強だけに集中できる期間は1ヶ月ちょっとしかありませんでした。

 試験は今までの全範囲

 しかも CBTとは1~4年生までの全範囲、つまり臨床だけでなく基礎も試験範囲ですので、試験範囲はとっても広いです。そのためこの1ヶ月はみんなで1日中図書館にこもり、せっせと勉強をしました。みんな普段は本当に頭がいい人たちなのかどうか疑うことも多いですが、いざ勉強するとなると1日12時間も13時間も平気で集中して勉強し続けているため、さすが受験を乗り越えてきただけあるなと改めて感心してしまいます。

 試験は丸々 1日かけて行いますが、私は前日緊張であまり眠れなかったせいか、睡眠不足でとても眠たく、何度かパソコンに頭突きしながら問題を解き続けるという、辛い 1日を過ごす羽目になりました。

 試験はパソコンで行います

 試験はパソコンで行いますが、問題はプール問題から出題されており、みんな違う問題を解くため、周りのパソコン画面が見えても問題なく試験を行うことができるという仕組みになっています。
 ちなみに東北大学での合格ラインは全国平均より高い位置に指定されていますが、ほぼ全員が無事合格し臨床実習に進みます。

 CBTが終わった日には同級生のほぼ全員が集まって、試験の打ち上げをしました。学年の全員が集まって、みんなでお酒を飲みに行ったのは初めてでしたし、ストレスフルな状態から解放された喜びも相まって、それはとても楽しい夜でした。

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