東北大医学部6年間の体験記
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1年生その2 授業スタート

1年生 授業スタート

授業スタート

 さて大学での授業も始まりましたが、医学科1年生の授業は、生命科学という医学の基礎となる授業のほか、週1の自然科学総合実験、英語、第二外国語、統計学、物理、体育など、他学部と合同の一般教養が中心となります。

 一般教養の授業は、坂の上にある川内北キャンパスで行われます。医学部生は大体が大学病院の近くの星稜キャンパス付近に住んでいるため川内北キャンパスは少し遠いのですが、川内北キャンパスは広くて綺麗なキャンパスですので、このキャンパスに通うのは楽しみでした。

 パワポのスライドを並べただけの

 大学の授業が始まってまず始めに、多くの学生が、高校までの授業スタイルと大学との違いに戸惑いを感じていました。大学の授業で配布されるものは、大体がパワーポイントのスライドを並べただけのプリントで、それを読んだだけでは理解できませんし、そもそも文字が小さすぎて読めないなんてこともよくあります。

 今ではそんなこと慣れっこですが、始めは驚きましたし、慣れずに苦労しました。先生も学生に教えるのが仕事なのではなく、本来の仕事の片手間に授業をされているのでお話が得意でない先生も多いです。わからなければ自分で調べて、自分で考えろということです。

生命科学の授業

 生命科学は医学科の必須科目で、週に3回あります。高校の生物と被る内容が多いらしく、生物選択者が多少有利だったため、私同様物理選択者は遅れを感じ、少し不安に思いました。しかし、医学部生活6年の間で物理選択者が不利だと感じたのは1年生の間だけだったので、物理選択者も不安に思うことはありません。

 ただ、なんとこの科目には、中間テストで下から30位までの人は呼び出されて先生と面談をするという恐ろしいイベントがありました。それ以降の専門の試験では呼び出し、ということはありませんでしたが、医学部の試験結果は、全員が全員分見られるように発表されてしまうので、良い成績をとっても悪い成績をとっても、他の学生に知られてしまいます。

自然科学総合実験

 もう1つ1年生の授業で苦労したのは、自然科学総合実験というものです。毎週グループで実験をし、その実験内容をレポートにまとめるのですが、レポートは毎回A4サイズで10枚以上の長さに及びます。しかもこのご時世に手書きという制限があるため、毎週大変な思いをしましたが、みんなでヒーヒー言いながらレポートを書いていたのも今ではいい思い出です。

 全体的に試験をパスすること自体は難しくありませんが、試験勉強だけではこんな学問があるのだな、くらいの感想を持つ程度の知識しかつきません。私も深追いすることなく簡単に終わらせてしまいましたが、これ以降医学の勉強が中心になり他の学問を学ぶ機会はあまりないので、1年生の間に色々手を出してみても面白いのかもしれません。

 しかし受験というストレスフルな生活から解放されたばかりですから、夜遅くまで友達と遊んだり趣味に没頭したりしたくなるものです。その結果私も、数週間であっという間に、9時からの1限に間に合うことができない、なんてこともやらかすようになってしまいました。今まで朝7時から勉強していたというのに、お昼まで起きられなくなるという事態は想定外でしたが、単位は1つも落としていないので笑い話としてください。

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